「おたく文化」的世界に初めてまっこうから取り組んだ商業誌ともいわれる「月刊OUT」(現在は廃刊)の発行元。入社初日に言われた「長居しない方がいいよ」との編集長の助言通り、１年足らずの間正社員として在籍した後フリーとなった。これがぼくにとっては唯一のサラリーマン経験だ。
このとき辞めたのはぼくだけでなく、現在「ふぁんろ～ど」の親分となっているK氏(宇宙戦艦ヤマト特集の企画を出してOUTを軌道に乗せた人)、編集長Y氏(本来はぜんぜん畑違いの人)も同時に退職しており、残れば「編集長」とはいわないまでも、20代前半の身には大きすぎる責任を持たされる公算が大きく、それを避けるために辞めてフリーになるしかなかったというのが実情だった。
在職中、「月刊OUT」のほか、「ランデヴー」「ランデヴーコミック」「PEKE」等のデザイン/編集を担当。書き手不足は自分自身が連載ページを持つほか、漫研時代の先輩・後輩・知人を多数OUTの著者にひっぱりこむことでしのいだ。
退社後もフリーのレイアウター／ライターとしてかなり長い間かかわわったが、アニメ専門誌指向、「メジャー誌」的な誌面作りへの指向が強まるにつれて次第に疎遠になっていった。
いろいろ思い出の多い出版社だが、書き出したらキリがなさそうなので詳しくはまた別の機会に……。