「黒字のホームページ運営」考

ささやかな「経費回収」程度ならかなう可能性は高い
先生	どうしたＡ君、悩みごとか？
生徒Ａ	実はぼくのホームページ、もうディスク容量が満杯で、記事や写真が追加できなくなってしまったんです。
生徒B	プロバイダのサービスメニューで容量は増やせるんじゃない？
生徒Ａ	できるけど、追加料金が月に200円かかるっていうんだ。セコい発想かもしれないけど、「これからずっと200円ずつ払うのか」って考えたら……。
生徒B	あ、その気持ちわかる。私もこのあいだBBSを増設したんだけど、うちのプロバイダ提供のBBSって、2つめ以降の増設は有料なのよ。これから似たような出費があれこれ積み重なったら……とか思うと、ちょっと複雑な気分だったな。
先生	ふむ。要するにきみらの悩みは「出費に見合った収入をホームページから得たい」ということじゃないのかね？
生徒Ａ	まあ、そうできればうれしいですが、うちみたいな小規模な個人ホームページじゃ無理そうだし。
先生	いやいや、「経費の一部が回収できれば」ぐらいの謙虚さをもち、若干の手間を惜しまぬなら可能性は大いにある。そういう面では今、時代はけっこういい方向に向かいつつあるぞ。
生徒B	そうなんですか？
先生	考えてもみたまえ。今やインターネットは検索エンジンの発達などによって、「内容の濃いWEBサイトほど人が集まりやすい」という意外に民主的な側面が形成されつつある。そのような環境下においては、一個人であれ企業であれ発信者はあまねく本質的な社会的貢献度によって評価されるのであって……。
アフィリエイト広告ならマイナーなサイトにもチャンスあり
生徒B	えーとあの、むずかしいお話はいずれじっくりうかがいますので……要するに、何をどうすれば収入が得られるわけでしょうか？
先生	方法はいくつかある。おいおい順を追って教えるつもりだが、ある程度内容の濃いホームページをすでに持っているなら、当面「広告」が早道だろう。
生徒Ａ	広告？　クリックされたらいくらか入るとかいうやつですか？
先生	そういうタイプもあるが、最近「アフィリエイト広告」というシステムが主流になるにつれて、「リンク先のサイトで商品が売れたらいくら」のような「成功報酬型」が増えておる。
生徒Ａ	えっ、モノが売れなきゃお金にならないんですか？　先生、冗談はよしてください。ウチのページの訪問者は１日たった10人程度ですよ。
先生	先回りして心配する前に、まず、いま言った「アフィリイト広告」の概念をきちんと理解しなさい。ちょうどここに、キミらの先輩のYanaKenという男に書かせた解説コラムがあるから、読んでみるとよいだろう。

　アフィリエイト(affiliate)とは、直訳すれば「結びつく」「提携する」といった意味の言葉だ。
　具体例で説明すると、たとえば「温泉」をテーマにしたホームページでは、温泉に興味のある人の訪問が多いはずである。
　とすると、そこに温泉旅館の広告を掲載すれば、その広告がクリックされ、リンク先の温泉旅館サイトで実際に宿泊予約が成立する確率はけっこう高い、と考えられる。
　そんなふうに、さまざまな業種の広告主と、さまざまなテーマのホームページ運営者が「お互いに、希望する相手を選んで縁結び（提携）できる」ような、いわば「仲人業」のしくみを提供しているのが「アフィリエイト広告サイト」だ。
　代表的な……というか、いまの時点でぼく自身が実際に利用中のサイトを下記に挙げておく(順不同)。

• バリューコマース
• LinkShare(リンクシェア)
• A8.net
• amazon.co.jp(広告主自体が運営)

　もちろんサイトごとにさまざまな特色、得手・不得手などもあるわけで、そのへんは今後のこの連載の各回で順次紹介していくつもりだが、下記のようなポイントはどこも共通だ。

• ホームページ運営者側には、登録料などの出費は一切かからない。
• 複数の広告主、広告手法、商品の中から、自分のホームページにマッチしたものを選択できる。
• 実際に商品が売れた場合にホームページ運営者に収入がもたらされる「成功報酬」タイプが主流となりつつある。