原信田実 著
集英社新書 ビジュアル版
# ISBN-10: 4087203891
# ISBN-13: 978-4087203899
傑作「名所江戸百景」全119景に残されている検印の日付（年月)を手がかりに、
「それぞれの絵はなぜそのとき描かれ、出版されたのか」
という従来の研究にはあまり見られなかった視点から、「画題に隠された意図や趣向」を大胆に推理したエキサイティングな浮世絵研究解説本。
大江戸日本橋絵巻―『煕代勝覧』の世界
浅野 秀剛,伊藤毅,大久保純一,小林信也,吉田伸之
講談社 ISBN 4062113724 2003年10月 税込3150円
約200年前、江戸一番の繁華街であった日本橋通町を、神田今川橋から日本橋に至る約760メートルの区間にわたって忠実・細密に描いた絵巻「煕代勝覧」（きだいしょうらん・ベルリン東洋美術館所蔵）を書籍上で再現したうえで詳しく注釈した本。
「煕」の字は「往来の激しい、にぎやかな様子」をあらわす言葉で、当時の商店の配置、外観、店舗の構造、にぎわいの様子、精密に描かれた1700人にものぼる人々の服装、風俗……など、多角的な情報が得られる。また、単純にただ眺めているだけでもいろいろ想像がふくらんで大変楽しい。
ちなみに2005年8月現在、江戸東京博物館5階に実物の精密なレプリカが展示されており、オリジナル通りの「ひとつながりの絵巻物」としてまるごと鑑賞できる。同博物館見学の際はぜひお見逃しなく。
ビックリ東京変遷案内
石黒 敬章 著
平凡社、ISBN4582634028 2003年3月 1,600円
「明治・大正・昭和東京写真大集成」の続編……というか、エッセンスを集めたような本だが、なにはさておき値段がずっと安い。
また、「大集成」のほうがいかにも「資料本」であるのに対して、こちらは昭和初期や平成14～15年現在の同一地点との対比の要素を加えるなど、より「古写真鑑賞の楽しさ」が立体的に演出された構成となっている。
ただ、写真が全般に小さめなのと、モノクロ印刷ページが多いのが（値段・体裁を考えればしかたのないところかもしれないけれど）残念。
東京の消えた風景 （他 シリーズ3冊)
東京の消えた風景 ショトルライブラリー
加藤 嶺夫 (著) 小学館 2003/02
東京 懐しの街角
加藤 嶺夫 (著) 河出書房新社 2001/08
東京 消えた街角
加藤 嶺夫 (著) 河出書房新社 1999/10
東京オリンピック、大阪万博の２大イベントに象徴される60～70年代＝いわゆる高度成長時代の真っ只中で、軽視され、邪魔扱いされ、あるいは流行の消長や時代の要求によって消滅していった「あのころ(まで)の普段着の東京」の風景が多数おさめられた貴重な写真集。
当時を知る人にはこの上なく懐かしいだろうし、その時代を体験せずに今の東京を生きている方にもさまざまな感慨をもたらすことだろう。
明治・大正・昭和東京写真大集成
石黒 敬章編・解説
新潮社、ISBN410448301X 2001年7月
約1400点という膨大な東京の古写真(絵葉書も含む)が地域ごとに編集されており、神田川・日本橋川沿岸各地の写真も当然多い。枚数の豊富さのおかげで臨場感はバツグン。
都心の代表的なポイント各所を舞台にした「タイムスリップ」が体験できる一冊。撮影地点・方向まで詳細に検証された詳細なキャプションも(ある意味、おたくっぽすぎる気もするが)出色。20000円(税別)の価値は十分ある。
なお、表題には「昭和」が含まれるが、どちらかというと古い時代の写真の収録量が豊富。
古写真で見る江戸から東京へ 保存版
小沢健志、鈴木理生監修
世界文化社、ISBN4418012109 2001年4月 3,800円
新発見の明治初期の写真帳から東京各地の写真500枚を紹介。
百年前の東京絵図（フォーカス）２１世紀への遺産
山本松谷/画、山本駿次朗/編
小学館文庫 ISBN4094031014 1999/3/1 638円
明治から昭和にかけて生きた画家・山本松谷が残した明治30年代の東京名所の風景画を見ながら今昔をたどる構成。万世橋、日本橋その他、神田川・日本橋川流域を描いた絵も多い。
鹿鳴館秘蔵写真帖江戸城・寛永寺・増上寺・灯台・西国巡幸
社団法人 霞会館/編
平凡社 ISBN4582231098 1997年7月 3,800円
維新後の荒れ果てた時期の江戸城内(多数)、都内各所の仏閣などの写真が中心。神田川関連としては、柳橋河口部、浅草橋(浅草門)～市谷門までの各門などが見られる。
的場伸幸 著
現代創造社 ISBN4874770622 C0771 2,000円
……現代(といっても少しは古くなるが)の神田川流域全体のスケッチ集。著者は故人。
紹介ホームページ
著者：芳賀徹 / 岡部昌幸
出版社：新潮社
本体価格：1,600円
新潮社「とんぼの本」
ISBN4106020025 1992-1-20発行
P77 柳橋
P93 お茶の水(神田上水懸樋付近)
P106～113 ニコライ堂周辺のパノラマ写真
…などなど明治初期の神田川周辺の写真が多数含まれる。また、神田川ぞい以外でも、愛宕山からのパノラマなど、大変すばらしい写真が選ばれている。
価格も古写真本の中では手ごろ。
博文館新社
ISBN4891779268 1990年9月初版発行 2,800円
昭和8年(1933)に発行された東京名所ガイド本の復刻本。
できたばかりの昭和通り、数寄屋橋、東京市電、まだ健在な吉原……などなど、とにかく写真が豊富。しかも、もともと「航空写真地図帳」製作の企画が発端だったとかで、鳥瞰写真が多用されているのが大きな特徴。
特に、目次の直後にある銀座・日本橋上空から垂直に撮影された東京都心部の航空写真は圧巻で、現在の日本橋川を中心とする江戸時代以来の掘割群が縦横にかけめぐっており、この時点でも東京という都市のレイアウトが「水の都・江戸」の状態をよく残していたたことがわかる。
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